“散歩”を扱った番組を制作しようと思ったのは、ここ数年来、日本人が“健康”について大きな関心を持ち始めていたことが一番の理由ですね。特にこの午前中の放送枠を見てくれる視聴者は、ほとんどが年配の方ばかりなので、“健康”というキーワードは番組の企画を考える上で絶対にはずせないものだったんですね。そんな中、もうひとつ新しいブームになっていたのが、散歩だったんです。「歩くこと」が注目を集め始め、散歩を特集した雑誌や本が増えてきていました。ゆっくりと自分の家の周りを歩く、そうすると、普段は気づかない、ちょっとした新発見ができるんです。お金もかからず、簡単に誰でもできる“散歩”。“散歩”が番組になればいいなあということから企画が始まりました。
普段から健康のためにウォーキングをしているという情報を得ていたこと、キャラクター的にこの枠の視聴者に受け入れられやすいと思ったこと、絵を描くことが趣味だということなど、番組でお付き合いしたい魅力ある俳優さんだったということですね。
主婦であり、母親であり、歌手、女優業、レポーターなど幅広く活躍してきた親しみやすいキャラクターなので、この枠の視聴者に受け入れられると思い、出演をお願いしました。
番組全体が、「ゆっくり」「ゆったり」「力が入っていない」「落ち着いて見ることができる」、そんなテイストの番組に仕上がっているからではないでしょうか。放送が午前中ということもあり、作られすぎた予定調和の進行ではなく、次に何が起こるかわからない、何も起きないかもしれないような作り方が良い結果になっているのかもしれませんね。

今日は、この街を散歩する。出発は駅である。この商店街を歩く。ブランコがあったら乗る。小腹がすいたら何か食べる。印象に残ったものを最後に絵に描く。これくらいのことしか決めずに撮影に入ります。あとは散歩人の地井武男にすべてを任せる。好きに歩いてもらう。好きな人をつかまえて話を聞く。こんなやり方が結果的にこの番組の人気につながったのではないかと思います。
こういうことができたのは、やはり地井武男という人柄があってこそ。知らない人の懐に飛び込んで話を聞きだす巧さは、天性のものだと思います。その人懐っこいキャラクターがあったからこそ「ちい散歩」の今の人気があるんだと思います。

散歩の最後に地井さんが描く絵手紙。「地井さん本人は恥ずかしがっていますが、 この絵の温かさ、やさしさがこの番組の魅力を倍増させています。現在発売中の『地井さんの絵手紙』(新日本出版社)も大変好評です」(河野プロデューサー)


「ブランコは、いい感覚ですよ。スポーツカーに乗っている感じだよ。気分転換にもなるし。ブランコには何度も乗っているけど、「危ない」と思ったブランコはなかったよ。公園管理が行き届いているんでしょうね。最近、公園の遊具が減ってしまったけど、ブランコだけは残っています。70キロの僕が乗っても大丈夫なんだから、町のお母さんたちも、是非ブランコに乗っていただきたいです。」(地井さん談)